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身体と脳が若返る !「苦痛」と「回復」を繰り返す不老長寿メソッド

アンチエイジ
04 /12 2021
不老長寿メソッド。本書のタイトル『不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる』に心ときめいた方は、かなりいらっしゃるのではないだろうか。いつまでも若々しく、健康で長生きしたい。誰もが抱く永遠の望みであり、歴史上の偉人たちも然りである。人類の歴史は、「不老長寿」への果てなき欲望でつくられたと言っても過言ではないだろう。

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 人生100年時代を迎え、ただ長生きするだけでなく、健康寿命をいかに延ばすかどうかは重要な関心事である。アンチエイジング、美容、フィットネス、健康食品は一大マーケットだ。溢れんばかりの情報に、わかっていても踊らされているのは、要約者だけではないだろう。

 本書の「不老長寿」に対する基本的な考え方は、いたってシンプルである。「苦痛」と「回復」を繰り返すこと、それだけだ。人類の祖先であるホモ・サピエンスが登場して20万年、私たちの暮らしは驚くほど飛躍した。しかし、肉体そのもののつくりはほぼ変わっていない。原始のライフスタイルは、現代を生きる私たちの脳にも受け継がれている。そのエッセンスを落とし込んだメソッドで、若返りを実践するというのが本書の肝である。

 著者は新進気鋭のサイエンスライター・鈴木祐氏。10万本の科学論文を読破し、国内外600人を超える専門家へ取材を実施してきた。それをベースにした科学的エビデンスのあるアンチエイジング術の集大成が本書だ。すぐに実践できる方法が余すところなく紹介された、お得すぎる一冊である。健康を維持したい方なら本書を読まない手はないだろう。(矢羽野晶子)

● 本書の要点

 (1)私たちの祖先ホモ・サピエンスは、つねに「苦痛」と「飢餓」のある生活を送っていた。
(2)「適度な苦痛」により、人間の体内に宿る「若返りシステム」が起動する。苦痛と回復を繰り返すことで、私たちの身体と脳は若返る。
(3)肉体の若返りには「プログレス・エクササイズ」や「AMPK食事法」が効く。前者は日常的な活動量を段階的に上げていく運動法で、後者はファスティングなどで肉体を最適化する食事法だ。
(4)あえてストレスを感じる行動を取ることで、メンタルが若返る。

● 要約本文

 ◆時計の針は巻き戻せる
◇サルデーニャ島の老人はなぜ若々しいのか?

 地中海に浮かぶ風光明媚なリゾート地、イタリア・サルデーニャ島。この島は、世界の科学者たちが注目する「超長寿エリア」でもある。100歳以上の老人は世界で最も多く、その数は一般的な先進国の10倍にあたる。しかも、彼らはただ長生きであるだけではなく、健康で楽しく過ごしている。寝たきり老人はゼロ。それぞれが家族や友人と強いきずなを持ち、趣味を楽しみながら死ぬまで働き続ける。まさしく彼らは死ぬまで人生を楽しんでいるのだ。

 南米ボリビアに住むチマネ族も長寿だ。アマゾンで狩猟と採集をしながら暮らしている原住民族で、年を取っても心臓病が皆無に等しい点が注目されている。動脈硬化や心筋梗塞などの発症はほぼゼロで、高血圧や肥満リスクも見受けられない。

 本書では、彼らのような「常識を超えた若さ」を保ち続ける人々のライフスタイルを参考に、科学の視点からアンチエイジングの要点を紹介していく。ここ十数年で、ヒトの老化に対する理解は格段に進み、若さを保つポイントが明らかになってきた。もちろん、すべての生き物にとって老いは避けられない。しかしある程度までなら、時計の針は巻き戻せるのである。

 【必読ポイント!】
◆ 若返りのサイクル
◇若返りシステムを起動させる「苦痛」

 まずは理論編だ。本書で紹介するアンチエイジングの肝は、苦痛と回復のサイクルを何度も回すことである。


苦痛についていうと、「適度な苦痛」は私たちの能力を高める。「仕事で味わった苦労が転職に役立った」というような経験は誰しもあるだろう。「運動」もそのひとつだ。1日15分の激しいエクササイズをするだけで、心疾患の病気で死亡する確率を45%、全死亡率を30%も減らすほどの効果を得られるという。そして「肉体が若い人は見た目も若い」ことは、複数の研究で実証されている。

 「運動と健康の因果関係」は明らかになっていないが、もっとも有効とされる考え方が「ホルミシス」という現象である。ドイツの科学者ヒューゴ・シュルツは、「少量の毒物がイースト菌の成長を加速させている」ことを発見した。そして「すべての物質は、少量であれば刺激し、適量であれば抑制し、多量であれば殺傷する」という結論を導いている。ホルミシスとは、「多すぎたら有害だが、少なければ有益に働く作用」である。

 たとえば、ポリフェノールは体の酸化作用を防いで、若返りに効くと言われる。だが、実際の抗酸化作用はとても低い。ポリフェノールは私たちの体内で炎症を起こし、炎症反応として、人体の抑制システムが起動する。すると、その炎症を修復する過程で、肉体が若返っていく。ポリフェノールが少量の毒として働くことで、人間が生来持つ心身の若返りシステムが作動するという仕組みなのだ。

 ◇徹底的な休憩で「回復」させる

 次は「回復」のフェーズを見ていこう。アスリート界にはこんな格言がある。「ハードに訓練せよ、しかし、それ以上にハードに休憩せよ」。厳しいトレーニングは必要だが、それ以上に「回復」のフェーズが重要という意味だ。筋肉量を増やすためには、筋トレで筋繊維を傷つけたあとに、適切な休憩と栄養補給が欠かせないのは周知の事実だろう。

 精神においても正しい「回復」が必要だ。私たちはストレス解消のために、だらだらテレビを見る、お菓子を食べるといった行動をとりがちだ。実のところ、ストレス対策にもっとも必要なのは「コントロール感」である。コントロール感とは、「明確な目標を持ち、それを達成するための行動がわかっている状態」を指す。これを高めてくれるのが「攻めの休憩」だ。たとえば「楽器の練習をする」「友人に悩みを相談する」などと、明確な意図を持って休憩をデザインしていくのである。

 1990年代にバイオリニストに行った調査によると、優秀なプレイヤーほど自覚的に休憩をとっていたという。彼らは90分の練習ごとに30分の休憩をはさみ、散歩や瞑想をして、脳を音楽から解放させていた。「暇ができたら休もう」ではなく、計画にもとづいて休むときには休む。この姿勢がコントロール感を育み、心身の回復につながるのである

◇苦痛と回復を繰り返す

 心身の若返りシステム「ホルミシス」は、なぜ苦痛を与えないと動き出さないのだろうか。私たちの先祖ホモ・サピエンスは20万年前に存在していた。彼らは毎日獲物を運びながら4~6時間も歩いた。獲物が見つからないときは、干し肉などを分け合って飢えをしのいでいた。彼らの生活は「運動」と「飢餓」による苦痛を伴っていたといえる。

 ホモ・サピエンスが日々体を動かすのは食糧を求めるからであり、人類の脳には「運動を嫌うシステム」が備わっている。食が足り、運動をしない現代人の肉体は、「生きるのに困っていないから、心身の強化システムは眠らせておこう」と解釈する。すると、肉体や精神の機能を下げ始め、一気に老けてしまう。生存危機のないときに肉体機能が低下するのは、進化のプロセスで生まれた結果というわけだ。

 先ほど紹介したチマネ族は1日に平均14~15キロ歩く。そしてサルデーニャ島の老人たちは、生涯厳しい肉体労働を続けている。どちらも共通して、日常的に適量の苦痛と回復を繰り返している。これこそが、驚くほど若い肉体を保てる秘訣だ。

 ◆段階的な運動で若返る「プログレス・エクササイズ」
◇日常の活動量を意識的に増やす

 次はアンチエイジングの実践編に移る。要約では「苦痛」フェーズ、「回復」フェーズのうち、「苦痛」フェーズのトレーニング方法の一部をとりあげる。

 まず紹介するのは、段階的に負荷を上げていく運動法「プログレス・エクササイズ」である。簡単な活動レベルを1に設定し、そこから小刻みに苦痛レベルを上げていくことで、ホルミシス効果の発動を狙う。

 レベル1では、散歩や掃除、洗濯、料理など、いつもの行動を改めて意識してみよう。ハーバード大学が行った実験では、ホテルで働くメイド84名のうち半分にだけ、日頃の仕事で消費するカロリーを伝えた。それだけでカロリーを伝えられた人たちは4週間後、一様に体重と体脂肪が減っていたという。「自分は体を動かしている」と意識するだけで、内面的に良い影響が生まれるのである。

 次にレベル2では、日常的な活動、つまり「NEAT(ニート):非運動性熱産生」の量を増やしていく。NEATが1日の消費エネルギーに与える影響はとても大きく、全体の15~50%を占める。ポイントは、複数の活動量を少しずつ上げていくことだ。月1回の床ぶきを週1回にする、歩く時間を30分から40分にするなど、すぐに改善できそうな活動を3つ選び、それぞれの負荷を1.5倍に高めることを目指そう。



それがクリアできたら、日々の活動を高負荷で行う「HIIPA(ヒーパ):高負荷偶発的身体活動」へと進む。通勤時に駅までダッシュする、階段を2段飛ばしでのぼるなど、いつもの活動を少しきつめに行う。「きつすぎる!」運動レベルを10としたら、4くらいを目指すといいだろう。

 ◇ウォーキングとインターバル速歩

 レベル4はウォーキングだ。ウォーキングは、手軽さと効果のバランスが最も良いエクササイズで、その効果は「1日375分」まで増え続ける。しかし、そこまで毎日歩くのは現実的ではないため、1日20~30分を目安にするといいだろう。これを週5回、40日間続けられたら、レベル4はクリアである。

 アンチエイジングに必要な運動量は、レベル4までで十分である。もっと効率よく肉体を刺激したい人には、「インターバル速歩」を推奨する。インターバル速歩は、「ゆっくり3分歩く→すばやく3分歩く」を1セットとし、これを最低5セット繰り返す。インターバル速歩を行ったグループは、生活習慣病のスコアが17%改善されたという。まずは1日8~10分から始めるとよいだろう。

 ◆細胞レベルで若返る「AMPK食事法」
◇軽微な毒物「フィトケミカル」の導入

 運動により外側から肉体を刺激するのが「プログレス・エクササイズ」であった。これに対し、内側からホルミシスを起動させるのが「AMPK食事法」である。

 AMPKとは「燃料センサー」の役割を持つ酵素の一種だ。エネルギーが足りなくなると活動し始め、全身の細胞に「肉体を効率よく使いなさい」と命令を出す働きを持っている。AMPKが起動したら肉体は最適化され、糖や脂質の代謝をうまくコントロールできるようになる。その結果、体が若返るのである。

 AMPK食事法のポイントは大きく2つ、「フィトケミカルの導入」「ファスティングの実践」である。フィトケミカルは、体内で「軽微な毒物」として働く、ホルミシスを活性化させる成分だ。代表的なものにポリフェノールがあり、スパイスやハーブ、ベリー類、コーヒー、緑茶、ナッツ類に多く含まれる。ポリフェノールの1日の摂取量には明確なガイドラインが存在しないが、現時点では1日500mg前後で効果が最大化することがわかっている。この量は、ブルーベリー100~150g、緑茶1杯、リンゴまたはオレンジ1個に相当する。





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忙しい人でも無理せずできる!腸活で免疫力を上げる6つの食習慣

アンチエイジ
02 /20 2021
腸には病気や感染症からカラダを守る驚くべき仕組みが備わっている。コロナ禍でカラダの免疫力が気になる今、腸のケアをあらためて見直してみよう。

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■消化・吸収だけではない。腸が最大の免疫器官といわれるワケ

 新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちのカラダに備わる免疫力があらためて注目されている。有効な治療法やワクチンが見つかっていない今、私たちにできることは手洗いやマスクの着用、3密を防ぐ行動変容に加えて、自己免疫力をしっかりと働かせて発症を予防し、重症化を防ぐことではないだろうか。

 カラダに備わる免疫システムには2種類の仕組みがあり、侵入してきた異物や病原菌を感知して排除する「自然免疫」と、それが突破されたときに抗体をつくり出して攻撃する「獲得免疫」の連携プレーで成り立っている。これらを担う免疫細胞の約7割が腸に集中していることが、腸が最大の免疫器官と呼ばれる理由だ。その仕組みを消化器内科医の松井輝明先生はこのように解説する。

 「免疫のおもな担い手は小腸です。小腸の腸壁やその粘膜の下にはパイエル板という免疫器官があり、T細胞やB細胞と呼ばれる免疫細胞がぎっしり並んで、入ってきた異物や病原菌を捕まえて食べてしまいます。また、鼻や口などから入ってきた異物を免疫反応で阻止するIgA(免疫グロブリンA)などの免疫物質もパイエル板でつくられています。

 一方、小腸の先にある大腸にはパイエル板はありませんが、約1000種類100兆個もの微生物が住んでおり、腸内フローラを形成しています。大腸に住むビフィズス菌をはじめとする善玉菌には免疫細胞を活性化したり、調整したりする働きがあり、感染症の罹患(りかん)や重症化のリスク低下にも一役買っています。小腸のみならず、大腸もまた免疫力や全身の健康に深く関わっているのです」

■小腸はディフェンダー、大腸はゴールキーパー

 小腸ではパイエル板の働きでカラダに入ってきた有害な菌を迎え撃つが、それもくぐりぬけて大腸に到達するものがある。しかし、有害な菌がつくり出す毒素が腸壁の粘膜を抜けて血管に入り込まなければ発症はしない。そのバリアとなるのが、大腸の善玉菌の代謝物である短鎖脂肪酸の働きでつくられるムチンという粘液だ。健康な腸内細菌を持つ人であれば、ムチンが腸壁を保護して有害菌の侵入をブロック。便と一緒に排せつされる。サッカーで例えるなら、小腸は有害な菌を迎え撃つディフェンダー、大腸は毒素の侵入を防ぐゴールキーパーの役割だ。

 「近年研究が進んでいるのが、この短鎖脂肪酸という物質です。酢酸、酪酸、プロピオン酸の3つが代表的で、腸内の代表的な善玉菌であるビフィズス菌は酢酸と乳酸を大量につくり出すことが知られています。短鎖脂肪酸には腸管を守るだけでなく、腸管から吸収されて全身に働きかけて脂肪の蓄積を抑えたり、脂肪を燃焼させたりする効果があることもわかってきたのです」(松井先生)

■攻撃系と制御系の免疫のバランスがカギ

 病気にならないカラダをつくるには、免疫力を高めればいいと考えがちだが、免疫力が過剰に働きすぎるのもよくないという。現代人に増えているのが、免疫が「暴走」し、本来攻撃する必要のないものまで攻撃してしまうことで起こる花粉症やアトピー性皮膚炎、自己免疫疾患だと内科医の桐村里紗先生は指摘する。

 「新型コロナウイルス感染症の重症化例の1つの原因として考えられているのが、免疫反応が暴走することで過剰な炎症を引き起こす、サイトカインストームという状態です。免疫の暴走は免疫力が低い高齢者よりも、若い人に起こる確率が高いといわれます。免疫力は高ければいいというわけではなく、攻撃と制御のバランスが大切なのです」

 免疫細胞の暴走を抑える唯一の調整役が、制御性T細胞(Tレグ)と呼ばれる免疫細胞。最近の研究では、腸内細菌の一種である善玉のクロストリジウム属の細菌がTレグを増加させることがわかってきた。クロストリジウム菌は腸内の食物繊維をエサとして短鎖脂肪酸の酪酸をつくるが、この酪酸が若い免疫細胞に伝わるとTレグへと成長するのだという。「小腸の免疫力をコントロールしているのは大腸に住む腸内細菌です。小腸は免疫に対してアクセル、大腸はブレーキの役割で調整しています。健康的な毎日を送るには腸内フローラを整えることが不可欠なのです」(松井先生)

善玉菌を摂るだけではもったいない!? 

■腸活の効率化に欠かせないシンバイオティクスのすすめ

 食物繊維が不足した食生活だと、どんなに腸にいい菌を摂ってもあまり意味はないとか。「菌そのもの」と「菌のエサ」を合わせて摂る「シンバイオティクス」に注目。

■腸内環境で大事なのはダイバーシティ

 人の腸内には約1000種類100兆個、の腸内細菌が存在している。ビフィズス菌などの善玉菌が分泌する短鎖脂肪酸は、腸内で有用菌が暮らしやすい環境を整えるほか、体内では免疫系や代謝系に働きかけて人の健康を支えている。大腸で有用菌を増やし、短鎖脂肪酸がしっかりと働く状態をキープすることが腸活の重要ポイント。そのためには「シンバイオティクス」を取り入れた食生活が大切だという。

 「ヨーグルトなどの発酵食品やサプリメントで乳酸菌などの有用菌自体を摂ることをプロバイオティクスと呼ぶのに対し、腸内の有用菌のエサとなる食物繊維などの食品をプレバイオティクスと呼びます。食物繊維が足りないと腸内の常在菌を育てられないので、いくらヨーグルトを食べていても意味がなくなってしまいます。腸活にはプロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を摂るシンバイオティクスが大事です」(桐村先生)

 善玉菌・日和見菌・悪玉菌といった区分けではなく、最近はたくさんの種類の腸内細菌が存在しているダイバーシティの状態が理想とされている。「腸内に定着できる菌は5、6歳までに決まるので、自分が持つ菌と異なるプロバイオティクスを後から摂っても腸に定着させるのは難しいですが、食べ物からいろんな菌を摂ることで、腸を通過する間に常在菌と連携して効果を発揮します。SIBO(小腸内細菌異常増殖)の人を除けば、誰でもシンバイオティクスは有効です。腸内環境が整うと、便の色が黄みを帯び、ニオイがなくなります。腸内フローラ検査をすれば、酪酸菌、乳酸菌、ビフィズス菌、エクオール産生菌などの割合もわかるので、腸活の成果の参考になるでしょう」(桐村先生)

東大研究者が発見した「老化細胞」除去薬の衝撃 100歳まで健康に生きることが「自然」な時代へ

アンチエイジ
02 /19 2021
もしいくつになっても若い体や心のままで生きることが可能となったら、社会、ビジネス、あなたの人生はどう変わるのだろうか? 
ハーバード大学医学大学院の教授で、老化研究の第一人者であるデビッド・A・シンクレア氏の全米ベストセラー『LIFESPAN(ライフスパン):老いなき世界』では、人類が「老いない身体」を手に入れる未来がすぐそこに迫っていることが示され話題となっているが、日本でも、老化研究に関する大きなニュースが飛び込んできた。

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2021年1月15日、東京大学医科学研究所の中西真教授らのグループが、老齢のマウスに「老化細胞」だけを死滅させる薬剤を投与し、加齢に伴う体の衰えや生活習慣病などを改善することに成功したと米科学誌『サイエンス』に発表したのだ。老化研究はどこまで進化しているのか。中西氏に話を聞いた。

■老化の原因「老化細胞」除去とは

 ――老齢のマウスの「老化細胞」を特異的に死滅させる薬剤を発見されましたが、この「老化細胞」の除去とはどういったことでしょうか。

 「老化細胞」とは、ストレスによってダメージを受けるなどして、増殖できなくなってしまった細胞のことです。

 60年ほど前、アメリカのヘイフリック博士が、正常なヒトの細胞を試験管の中で培養していくと、一定の分裂回数のうちに増殖を停止して、二度と増殖できなくなるステージに入ることを発見しました。この状態になってしまった細胞を「老化細胞」といいます。

 細胞は、つねにさまざまなストレスにさらされており、ストレス過多になった場合、遺伝子に傷が入ったり、タンパク質がダメージを受けるなどします。軽微なダメージなら、細胞は修復して生き続けることができますが、修復不可能な損傷の場合、細胞そのものを殺すか、細胞の老化を誘導し、異常な細胞を蓄積させない仕組みが働きます。その結果、細胞は増殖することができない老化細胞となってしまいます。

そして、この老化細胞が、臓器組織の機能低下や老年病などの発症を誘発するというのが最も基本的な「老化のメカニズム」の1つです。

 これまでの研究では、老化細胞を除去することでさまざまな老化現象が改善することはわかっていました。しかし、組織や臓器により老化細胞は性質が異なるため、それらどんなタイプの老化細胞にも効く薬剤の開発には至っていませんでした。

 われわれ研究チームは、老化細胞の生存に必須な遺伝子を探し、それが「GLS1」という遺伝子であることを突き止めました。さらに、老化細胞は、リソソームと呼ばれる細胞内小器官の膜に傷ができ、細胞全体が酸性に傾くが、「GLS1」が過剰に働くことで中和され、死滅しないまま細胞を維持することも明らかにしました。

 そこで、この遺伝子「GLS1」の働きを止める薬剤を投与したところ、老化細胞が除去され、老化に伴う体力の衰えや生活習慣病が改善することを証明しました。

■老化は「常識」から「サイエンス」になった

 老化研究が注目されるようになったのは、ごく最近のことです。僕は、いまから30年前、アメリカに留学していた頃に細胞老化という現象に興味を持ち、それ以来ずっと研究を続けていますが、当初はほとんど注目されておらず、現象論ばかりで分子機構も明らかにされていない時代でした。

 当時盛んだったのは、細胞周期に関する研究です。2001年には細胞周期の制御因子を発見した研究者がノーベル賞をとり、僕もその波に乗って細胞周期の研究に取り組みつつ、ほそぼそと細胞老化の研究も並行してきました。

 老化研究のいちばん難しいところは、とにかく時間がかかるということです。例えば、一口に「カメの寿命にともなう死亡率の研究」と言っても、カメは100年以上生きますからね。高齢マウスの研究でも、2~3年はかかります。たかだか20~30年の研究者人生の中でできることには限りがあるのです。

社会にとっては非常に必要な研究だけれど、何十年もなんの結果も出さずにいることは、許してもらえませんからね。

 そんな老化研究全体の空気が変わったのは、この数年です。まず、2014年に科学誌『ネイチャー』で、老化の過程は生物種によってかなり異なるということが報告されました。ヒトは、老化による機能低下などで寿命を迎えますが、生物種のなかには、老化そのものが寿命を規定していないものがたくさんいるというのです。

 また、2016年には、同誌に、ヒトの最大寿命は120歳であるという報告も掲載されました。それまでなんとなく「年とともに老いて、長くても120歳ぐらいで死ぬものなんだろう」と思われていたことが、サイエンスとして一流の科学誌に取り上げられたわけです。

 老化現象というものが、一般常識の範疇から、サイエンティフィックに非常に面白い対象なのだと認識されることになり、多くの研究者が参入するきっかけになりました。

 とくに、生物種によって老化の過程が異なるというのは、非常に面白い話です。

 ヒトは、加齢に伴って死亡率が急激に増加する典型的な生物ですが、ある種のカメやワニなどには、そのような現象が起きません。もちろん、ある決まった寿命で死ぬのですが、年をとっても、人間でいう白髪が出たり老けたりという、老化の表現型が出ないのです。 

 つまり、20歳の死亡率と70歳の死亡率が変わらない。「ピンピンコロリ」の一生を送るすごい生物がたくさんいるということです。

 興味深いのは、ゾウです。ゾウは、ストレスが加わったときに、自らの体内で老化細胞になる前に傷ついた細胞を死滅させてしまうと言われています。われわれが開発したような薬を飲まなくとも、もともとそういうシステムを体内に持っているわけですね。

 ゾウにはがんがないというのも有名な話です。がん細胞のような悪い細胞をすぐに死滅させてしまうからです。がんのあるゾウを探すのは、非常に難しいと言われるほどです。

 悪い細胞を体内に残しておくから病気になるわけですが、ただ、生態系全体として見ると、ヒトは、老化細胞を残しておくことに、個体としてなんらかのメリットがあり、それが進化の過程で有利に働いているという部分もあるのかもしれません。

老化によって臓器組織の機能が低下し、老年病を引き起こすなどして健康寿命を決めているメカニズムと、生物種の最大寿命そのものを決めているメカニズムはまったく次元が違うはずです。

 老化研究は、まだまだわからないことが多く、あくまでもわれわれ自身である「ヒトの老化」という範疇から出ていません。今後ますます俯瞰的に理解していくことで、より研究が深まっていくでしょう。

■ヒトへの実用化までのハードル

 老化改善の薬は、これからヒトへの実用化に向かっていきますが、まだまだハードルがあります。

 ひとつは、本当にその薬に副作用がないか、もっと効果的な薬はないかという短期的なハードル。そしてもうひとつは、まだ個体の老化はすべてが解明されていないという長期的なハードルです。

 われわれの研究もそうですが、これまでは、培養された細胞を使った研究ばかりで、個体の中での研究はほとんど行われていません。老化細胞が、個体の中で加齢や老年病の発症に関わっているのは確かですが、現実には、個体の中はまだブラックボックスなのです。個体のいったいどこに老化細胞が蓄積しているのか。それがどのような機能や性質を持ち、どう作用しているのかはわかっていません。

 これからは個体の中での老化細胞の働きを解明する必要がありますし、そのような研究が進めば、もっと優れた標的や、もっと優れた治療法が見つかるだろうと僕は信じています。

 ――日本人は世界的にも長寿ですが、ほかの国の人々に比べてどのような要因が考えられるのですか。

 ひとつは、日本人の食生活が大きく影響していると考えられます。日本人は、アルコールの摂取量も世界的に見れば少ない人種です。

 もうひとつは、日本人には、肥満など特殊な体質が非常に少ないことです。もちろん日本人にも肥満体質の方はいらっしゃいますが、欧米人に比べるとかなりその程度は軽いと思います。


アルコール摂取量が多かったり、生活習慣が原因で肥満が起きたりする環境では、それが細胞に対するストレスになり、老化細胞が増えやすいということは十分に予測できます。日本人の普通の食生活や生活習慣が、欧米人に比べればストレスを受けにくいということですね。

 人種にかかわらずヒトの最大寿命は決まっています。世界一の長寿とされたジャンヌ・カルマンさんはフランス人女性ですから、日本人が最長というわけではありません。ですから、少なくとも欧米人が日本人のような生活習慣になれば、長寿に近づいていくと言えるでしょう。

■老化は「病気」として治療できる

 ――シンクレア氏の『ライフスパン』では、「老化は病気である」と定義されていますが、先生のお考えをお聞かせください。

 僕も、少なくとも、加齢に伴って起きるような臓器組織の機能低下や老年病などは治せるものだと考えています。

 ただ、最大寿命を延ばすのは非常に難しいことですし、倫理的にも問題があると思いますので、そこはもう少しよく考えなければなりません。まずは、健康に生きる時間を長くするということだと思います。

 昨年12月、シンクレア先生が山中因子(iPS細胞)を使って、高齢マウスの視力を回復させたという論文を『ネイチャー』に発表されました。非常にインパクトがあり、本当に老化細胞が若い細胞に戻っているのなら、これはすごいことだと僕は思います。

 ただ、山中因子によって実際にどんな細胞が生まれて、それがどういう形で老化した細胞を再生させているのかということについては、まだ証明されていません。まだまだこれからということになるでしょう。 

 ――アメリカでは、グーグルなどが老化研究のベンチャーに投資していますが、日本ではそのような動きはありますか? 

 日本では、残念ながらまだほとんどありません。そのようなベンチャーもありませんし、カルチャーもありません。

 アメリカには、「失敗してもいいじゃないか、作ってダメならまたやり直せばいい」というカルチャーがありますが、日本は違います。「失敗したくない」「失敗するとダメージにつながる」という発想にとらわれていて、なかなかそのような会社はできないんですね。


ただ、20~30代の世代では、ベンチャーをやってみようというハードルが低く、そのような芽ははっきりとあります。今後、老化研究の分野に投資したいという動きは大きくなるかもしれませんね。

 いま、がん研究については、かなり煮詰まったところまで来ています。もちろん、本庶佑先生のようなすごい発見も今後生まれると思いますし、すい臓がんなど治療困難なものもありますが、基本的に、がんは治る病気になりつつあるんですね。そうなると、人類の最後の未知なる領域は「老化」ということになり、そこへシフトしていく流れがはじまったのだろうと思います。

■100歳まで健康に生きることが「自然」

 「老化も死も自然のままがいい」という感覚の方も多いようですが、僕は、なにをもって「自然」と言うかは難しいと考えます。老化は、人によって程度がまったく違うもので、90歳でも100歳でも元気な人もいれば、50歳でもいろんな病気にかかってしまう人もいます。

 病気にかかることが自然なのかというと、僕は、やはりそうではない、100歳まで健康に生きることが自然だと思うのです。僕の両親もそうですが、年老いた人は不自由を感じていますし、それを改善できるということは、すごく大きなことだと思います。

 自然に生きることを助け、サポートしていくことが、老化研究です。実現すれば、短期的には医療費の問題が解決し、もっと別のことにお金が使えるようになりますし、個々の方の人生そのものも幸せになりますよね。やはり健康は、最もお金で買えない幸せだと僕は思っています。


アンチエイジな食事術

アンチエイジ
03 /04 2019
食事術


こちらの本に書かれている内容で食事管理しています、

基本は糖質制限です、何を食べればいいか、糖質制限して体にい食事をしています、

中年以降は食事の内容によって病気になりますからね、

いつまでも若い体つくりしていきたいですからね

食事管理は重要ですよ!

イチョウ葉のエキス

アンチエイジ
03 /02 2019
貰い物です。

イチョウの葉

イチョウの葉エキスです。


医学的には効果あると言っていますがどこまでエビデンスがあるかわかりません。

筋トレして食事管理したほうがいいのですが・・・

認知症予防には筋トレですよ!


タマ

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生活全般のことを綴っています。